ゲーム制作に興味を持った亮太が、家族との会話で学びと夢を深める。

新潟の春の午後、田中家のリビングでは、亮太がテーブルにノートを広げて何やら真剣に調べものをしていた。その姿を見た姉の美咲が、興味を引かれて声をかける。

「亮太、何してるの？」

「学校の課題で、ゲーム制作について調べてるんだ。将来ゲームクリエイターになりたい人が多いって授業で話題になってさ。でも、ゲームっていろんな人が関わって作られるって聞いて、どんな仕事があるのか知りたくて。」

「いいじゃん、それ面白そう！」
美咲も椅子に座り、亮太の調べものに加わった。

「調べてみると、ゲーム制作には本当にいろんな役割があるんだよ。」
亮太はノートを指しながら説明を始めた。

「まず、ゲームデザイナー。この人たちはゲームのルールやストーリーを考えるんだって。」

「それって一番楽しそうな仕事だね。」
美咲が笑顔で言うと、亮太は続けた。

「でも、次にプログラマーっていう人たちがいて、この人たちが実際にゲームが動くようにプログラムを組むんだ。お姉ちゃんが目指してるエンジニアに近い仕事かもね。」

「確かに。でも、ゲームって見た目も大事だから、デザイナーやアーティストもいるんじゃない？」
美咲が指摘すると、亮太はうなずいた。

「そうそう！グラフィックデザイナーとかキャラクターデザイナーっていう人たちが、キャラクターや背景を描いたりするんだ。それに音楽も必要だから、サウンドクリエイターもいる。」

「へえ、ゲームっていろんなプロの力で作られてるんだね。」
美咲は感心したように頷いた。

その会話を聞いていた父親の誠一が、新聞を置いて話に加わった。

「ゲーム制作って、本当に多くの人が協力して進める大きなプロジェクトだよな。実は俺の仕事でも、ゲーム会社と一緒にシステムを作ったことがあるんだ。」

「え、お父さんもゲームに関わったことがあるの？」
亮太は目を輝かせて尋ねた。

「ああ。俺が担当したのは、ゲーム内のデータを管理するシステムだったけど、打ち合わせに行くと、チームの中に本当にいろんな専門家がいたよ。プログラマーが技術的な問題を話してる横で、デザイナーが絵を描きながらアイデアを出してたり、サウンド担当が曲を流してみんなの意見を聞いてたりしてな。」

「みんなで力を合わせて作ってるんだね。」
亮太は父の話に感心した様子だった。

「でも、そんなにたくさんの人がいると、大変じゃない？」
亮太が心配そうに聞く。

「もちろん簡単じゃないさ。でも、全員が同じ目標に向かって進むから、大変なことも乗り越えられるんだ。それに、完成したときの達成感はきっとすごいだろうな。」
誠一が答えた。

「そういう仕事っていいなあ。みんなで作り上げるって楽しそうだし、自分のやったことが形になるのって最高だよね。」
亮太は目を輝かせながら話した。

「お前も、もしゲーム制作に興味があるなら、いろんな分野のことを少しずつ学んでみるといいぞ。将来、どの役割が自分に合うかが分かるはずだ。」
誠一のアドバイスに、亮太は大きく頷いた。

「じゃあ、もし私たちがゲームを作るとしたら、どんなゲームがいいと思う？」
美咲が突然アイデアを出し始めた。

「うーん…。家族で協力する冒険ゲームとかどう？」
亮太が提案すると、誠一が笑いながら言った。

「それなら、俺はプレイヤーのサポートをするガイド役のキャラがいいな。お母さんは回復アイテムを作る職人役とかどうだ？」

「お母さんに言ったら怒られるかもね。」
美咲が笑いながら返した。

その夜、亮太は自分のノートに「ゲーム制作に関わる仕事リスト」を整理して書き込んだ。

「これを見て、どれが自分に合ってるか考えてみよう。」
そう自分に言い聞かせながら、彼は将来の夢に向けて一歩を踏み出した。

その後も亮太は、家族との会話や父のアドバイスをもとに、少しずつゲーム制作の世界を深く学んでいった。美咲も、「エンジニアの視点から手伝うよ」と協力を申し出た。

ゲームという一つのテーマが、家族の絆をさらに深めるきっかけとなった。そのプロセスで、亮太は夢を追いかける楽しさと、仲間と力を合わせる大切さを学んでいくのだった。

ゲーム制作に関わる人たちを学ぶ