友達なのに、ライバルでもある?
「亮太、お前さ、今度の試合、絶対負けないからな!」
サッカー部の練習中、チームメイトの翔太が冗談めかして言った。
次の練習試合では、レギュラー争いをかけた大事な試合が待っている。
しかも、そのポジションを争っているのが、翔太だった。
「はは、こっちこそ負けないよ!」
笑顔で答えたけど、心の中は少し複雑だった。
翔太は友達であり、ライバルでもある。
一緒にふざけたり、部活終わりにゲームをしたりする仲なのに、試合では競争相手。
こういう関係って、どう捉えればいいんだろう?
家に帰ってからも、そのことが頭から離れなかった。
家庭と学校、それぞれの役割が違うことを知る
夕食のとき、リビングで両親と美咲が話していた。
「家庭と学校での役割って違うよね。」
「そうね。家では家族だけど、学校では生徒としての立場があるもの。」
美咲の話を聞いて、僕はハッとした。
そういえば、家族の中でも、みんなが複数の役割を持っている。
- 父(誠一):会社では上司、家では父親
- 母(有紗):仕事では保育士、家では母親
- 姉(美咲):学校ではクラスのリーダー、家では姉
「家では『お父さん』だけど、会社では部下や後輩がいるんだよね。」
「そうだな。でも、どの場面でも、やるべきことを考えながらバランスを取ってるよ。」
僕はこの会話を聞いて、自分にも当てはめてみた。
学校ではクラスメイトであり、サッカー部の仲間。
でも、試合になればライバルとして戦わなければならない。
両親や美咲の話を聞いて、少しだけヒントを得た気がした。
「ライバル」は敵ではない
翌日の練習中、翔太とボールを蹴り合いながら話してみた。
「なあ、翔太、お前ってライバルがいるのって、どう思う?」
「ん? そりゃ、負けたくないって思うけどさ、逆にライバルがいるからこそ成長できるんじゃね?」
翔太は、特に悩んでいる様子もなく、さらっと答えた。
「だってさ、お前と競い合うからこそ、俺ももっと頑張れるんだよな。」
その言葉に、少し驚いた。
ライバル=敵、じゃないのかもしれない。
むしろ、お互いを高め合う関係なのかもしれない。
そう思ったとき、僕はこれまでの自分の考え方が少し偏っていたことに気づいた。
友人でありライバルだからこそ、お互いを成長させる
練習試合の日、僕は翔太と同じポジションでプレーした。
お互いに譲らない激しい攻防戦を繰り広げ、最後まで全力を出し切った。
試合後、翔太が笑いながら言った。
「お前、やっぱりすげぇな。でも、次は負けないぞ!」
「はは、お前こそな!」
この瞬間、僕は心から思った。
「ライバルでいることは、悪いことじゃない。」
競争することで、より強くなれる。
でも、それと同時に、友達として支え合うこともできる。
友人でありながらライバルであることは、お互いを成長させる関係なのかもしれない。
まとめ:友人とライバルのバランスを取ることが大切
この経験を通じて、僕は「ライバルは敵ではなく、共に成長する存在」だと気づいた。
- ライバルがいるからこそ、努力できる
- 競い合うことで、お互いを高め合う
- 友情と競争心を両立させることが、成長につながる
家族の役割と同じように、友人とライバルのバランスを取ることが大切なのだ。
これからも、この関係を大事にしていきたいと思う。
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