男子はとにかく早く、女子はのんびり?
「ごちそうさま!」
サッカー部の仲間たちが、次々とお弁当のふたを閉じる。
僕も食べ終わり、周りを見渡すと、男子たちはすでに席を立ち始めていた。
まだ、昼休みが始まって10分しか経っていない。
「亮太、早く外行こうぜ!」
サッカー部の翔太が僕を呼ぶ。
昼休みはグラウンドでボールを蹴るのが日課だ。
でも、ふと別のテーブルに目をやると、女子たちはまだお弁当を半分も食べていない。
笑いながら話したり、ゆっくりと箸を動かしたりしている。
「なんで女子って、そんなにゆっくり食べるんだろう?」
ふと、そんな疑問が浮かんだ。
男子は「食べること」女子は「楽しむこと」?
昼休みのグラウンドでボールを蹴りながら、僕はさっきのことを考えていた。
男子はとにかく早く食べる。
一方で、女子は食事そのものをゆっくり楽しんでいるように見える。
「なあ、翔太。なんで俺たちって、こんなに早く食べるんだろうな?」
「ん?そりゃ、早く食べたほうが、遊ぶ時間が増えるからだろ?」
「…たしかに。」
男子は、「食事をすること」が目的ではなく、「食事を終えること」が目的になっている。
だから、とにかく早く食べて、すぐに次の行動に移ろうとする。
一方で、女子は「食べること」そのものを楽しんでいるように見える。
友達と話しながら、少しずつ食べる。
その時間が、ランチの楽しさになっているのかもしれない。
家族の食事の時間を思い出す
「おかえり。今日の部活、どうだった?」
夕食の時間、母が僕に声をかける。
僕は、部活のことよりも、昼休みの出来事が気になっていた。
「母さん、男子ってご飯を早く食べるけど、女子はゆっくり食べるよな?」
「ふふ、たしかに。家族の食事でも、亮太とお父さんは早いし、美咲と私はのんびり食べてるわね。」
「それって、なんでだと思う?」
「うーん…たぶん、食べることに対する意識が違うんじゃないかしら?」
母は少し考えてから続けた。
「男性は『エネルギー補給』として食事をして、女性は『楽しむ時間』として食事をすることが多いのかもしれないわね。」
この言葉を聞いて、僕は昼休みの光景を思い出した。
男子は、部活や遊びに行くためにサッと食べる。
女子は、食事そのものを楽しみながら、会話をする。
つまり、「食べる目的」が違うのかもしれない。
食べるスピードの違いが生むもの
僕は、ふと考えた。
「もし、僕たちも女子みたいにゆっくり食べたら、何か変わるのかな?」
たとえば、友達ともっと会話を楽しめるかもしれない。
食事の味に、もっと気づくかもしれない。
でも、早く食べることにはメリットもある。
昼休みの時間を最大限使えるし、部活に行く準備もできる。
つまり、どちらが「正しい」わけではなく、食事の楽しみ方が違うだけなのだ。
まとめ:ランチの時間の過ごし方は、人によって違う
翌日、僕は少し意識してランチをゆっくり食べてみた。
すると、いつもより友達と話す時間が増え、食事が楽しく感じられた。
男子は、食べ終わることを目的にすることが多い。
女子は、食べることそのものを楽しむことが多い。
でも、それはどちらが良いとか悪いとかではなく、単に「過ごし方の違い」なのかもしれない。
これからは、「食べること」だけでなく、「食事の時間を楽しむこと」も大切にしたいと思った。
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