1. 亮太の「教えて」がくれた気づき
「美咲、ちょっとパソコンのことで教えてほしいんだけど…」
ある日、弟の亮太が私の部屋をのぞき込みながら、少し気まずそうな顔で言った。
私は手を止めて、パソコンの画面から目を上げる。
「どうしたの？」
「レポート作らなきゃいけないんだけど、フォーマットの設定がわからなくて…」
亮太は自分のノートパソコンを持って、私の横に座った。
私はパソコンが得意だし、フォーマットの設定なんて簡単だと思った。
でも、亮太にとっては初めての作業だったのかもしれない。
私は少し画面を覗き込みながら、手順を説明した。
「ここでフォントを選んで、行間はこのボタンを押せば調整できるよ。」
「なるほど…ありがとう！」
亮太は嬉しそうに頷いて、パソコンに向かって作業を再開した。
私はふと、「頼られるって、悪くないな」と思った。
2. 人に頼るのが苦手な私
弟が素直に「教えてほしい」と言ったことに、私は少し驚いた。
なぜなら、私は人に頼るのが苦手だからだ。
学校の課題でも、何か困ったことがあっても、なるべく自分で調べて解決しようとする。
友達に質問することもできるけど、どこか「自分でやらなきゃ」という気持ちが先に立つ。
でも、亮太は違った。
彼はわからないことがあれば、すぐに聞く。
それを「恥ずかしい」とも「負け」だとも思っていない。
むしろ、効率的に解決するために、人に頼ることを自然にしている。
そんな亮太を見て、「私はなんで頼ることが苦手なんだろう？」と考え始めた。
3. 頼ることは甘えではない
子どもの頃、私は「なんでも自分でやる子」だった。
親に手伝ってもらうより、できる限り自分でやりたい。
そう思っていたし、実際にできることが増えるのは嬉しかった。
でも、それがいつの間にか「人に頼るのは甘えだ」と思うようになっていた。
✅ 「自分でやらなきゃ」
✅ 「頼るのは、自分が弱いから」
✅ 「人に迷惑をかけたくない」
そんな気持ちが、無意識のうちに私を縛っていたのかもしれない。
でも、亮太は「頼る」ことでスムーズに解決し、知識を増やしている。
しかも、私は彼に教えることで少し役に立てた気がして、悪い気はしなかった。
「頼ることは甘えじゃない。お互いに助け合うことなんだ。」
そう思えた瞬間だった。
4. 「頼る」ことのメリット
私はその後、意識的に「頼る」ことをしてみることにした。
例えば、学校の数学の授業で難しい問題があったとき、友達に聞いてみた。
すると、想像以上に分かりやすく説明してくれて、すぐに理解できた。
また、アルバイト先でも、先輩に仕事の進め方を聞いてみた。
それまでは「自分でやって覚えよう」と思っていたけど、教えてもらうことで時間が短縮できたし、ミスも減った。
✅ 頼ることで、解決が早くなる
✅ 頼られた側も「頼ってくれて嬉しい」と思う
✅ お互いに信頼関係が生まれる
それなら、「頼ること」は決して悪いことじゃない。
5. 「助けて」と言える勇気
亮太の姿を見て、「頼る勇気を持とう」と思えたことは、私にとって大きな成長だった。
✔ できないことを認めるのは、恥ずかしいことじゃない
✔ 誰かに頼ることで、お互いに助け合える
✔ 頼ることで、新しい知識が増える
今までは「自分で何とかしなきゃ」と思っていたけど、
これからは「困ったら頼ってみる」ことを、少しずつやってみようと思う。
私にとって、それは「新しい挑戦」なのかもしれない。
6. まとめ：頼る勇気がもたらす成長
亮太がパソコンのことで頼ってきたことをきっかけに、私は「頼ること」の大切さに気づいた。
✅ 人に頼ることは、甘えではなく「成長の機会」
✅ 頼ることで、解決が早くなり、知識が増える
✅ 頼られた側も「役に立てた」と思い、良い関係が生まれる
これからは、「自分でやらなきゃ」という気持ちだけでなく、「助けてもらうこと」も選択肢に入れていこうと思う。
「頼る勇気」を持つことで、もっと成長できるはずだから。
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