母・有紗の視点

娘が卒業旅行の計画を始めた「お母さん、卒業旅行行ってもいい？」ある日、娘の美咲がそう聞いてきた。私は一瞬、「えっ、もうそんな時期？」と驚いた。美咲は高校3年生。卒業を控え、友達と一緒に旅行を計画しているらしい。行き先は沖縄か韓国、メンバーは...

夫のファッションに無頓着だった過去「そのシャツ、もうヨレヨレだよ…。」何度そう言ったことか。夫の誠一は、元々ファッションにあまり興味がないタイプだった。「着られればいい」という考えで、何年も同じ服を着続けることが当たり前だった。特に新潟で暮...

夫の会社に新入社員がやってきた「今年も新入社員が入ってきたよ。」夕食の時間、夫がそんな話をした。夫の誠一は47歳で、東京で単身赴任をしている。会社では部長をしていて、毎年この時期になると、新入社員の受け入れで忙しくなるらしい。「今年の新人た...

夫が40代後半で発症した花粉症。私は妻として何ができる？「まさか、花粉症？」夫の誠一は、新潟で生まれ育ち、これまで花粉症とは無縁の生活を送ってきた。でも、東京での単身赴任が始まってしばらくした頃、「目がかゆい」「鼻水が止まらない」「くしゃみ...

バレンタインの話題に驚く夫・誠一「バレンタインって、今は本命チョコより友チョコがメインなのか？」夫の誠一がそんなことを言ったのは、ある日の夕食時だった。娘の美咲が「今年も友チョコ作るんだ～」と楽しそうに話していたからだ。「バレンタインといえ...

Z世代が親になる時代へ「最近のZ世代の社員は、育児と仕事のバランスを大事にする傾向が強いよな。」夕食の席で、夫の誠一が会社の話をしていた。彼は管理職として若手社員の育成に関わることが多い。「確かに、昔みたいに『仕事が最優先』という考え方じゃ...

夫が感謝した「友達付き合い」「有紗の友達って、本当にいい人たちばかりだな。」夕食の準備をしていると、夫の誠一がふとつぶやいた。「え？何かあったの？」「この前、君の友達と少し話す機会があっただろう？みんな、すごくいい雰囲気で、有紗が大事にされ...

1. 美咲の様子を見て気づいたこと娘の美咲は、昔からしっかり者だった。小さい頃から「自分でできることは自分でやる」と言って、私や誠一にあまり頼ろうとしなかった。宿題も、部活も、人に頼らずに自分でなんとかしようとする。その姿勢は素晴らしいし、...

「ホテル住まいになったよ」突然の知らせ「誠一さん、今週からホテル暮らしになるの？」ある日、夫の誠一から電話でそう伝えられた。「そうなんだ。社宅の改修工事で一週間だけホテルに滞在することになったよ。」誠一は単身赴任中だから、普段は社宅で生活し...

家族の食事には気を配るのに、自分の食事は適当？「美咲、お弁当ちゃんと持った？」「亮太、おにぎり足りる？」朝の忙しい時間、私はキッチンで慌ただしく動いていた。家族のために朝食を用意し、お弁当を作るのは、私にとって当たり前の習慣だ。誠一は単身赴...